焦げてるチキン

アニメ感想とか書評とか

「わたしの幸せな結婚」を見て、塚原あゆ子監督に一生ついて行こうと思った

ノーマークだった映画「わたしの幸せな結婚」が予想外の方面で凄かった。

いくら泣く子も黙る(当社調べ)塚原あゆ子監督作と言ってもねえ~
「なろう原作」「最近流行りの溺愛もの」「2.5次元っぽいビジュアル」でこれはスルーだな…
(好きな人がいるのは分かってるけど、あんまり好みじゃない)と思ってたらこれが凄かったので感想。

なお筆者は目黒担でも原作既読組でもないです。

冒頭のつかみがえぐい

冒頭のツダケンナレーションによる世界観説明〜タップダンスの流れのワクワク感が凄い。
てかタップダンスて原作にあるのかな!?ここでタップダンス持ってくるセンス良〜!

VFXとアクション

兎に角VFXが絶賛されてたけど本当に良かった!ハリウッドの金掛けました!て感じのリッチさとはまた違う、細やかでリアリティのある描写。異能を使う時に紋様が浮かぶのかっこ良すぎか。
炎エフェクト警察を自称するほどCG炎にうるさい(ちゃんと本物の炎を使っている、という一点のみで80年代角川映画が好き)私ですが、かなり違和感ない描写だったと思う。
水も綺麗でしたね。MIU404の時から、塚原監督が水とか雨の演出上手いのはもう知ってたけどな!美世を奪還しにきた場面で、一瞬で水滴が現れる描写お洒落〜

キャスト

終始主演2人演技上手いな!?!?てなってた。
清廉も美世もそれぞれ違う方向にコミュ症なんだけど、そのコミュ症の演技が上手い。マジでこういう人いるよな…てなった。
あと特に今田美桜の泣き演技の良さが光ってましたね。料理褒められて泣くシーンで、まだ序盤にもかかわらずもらい泣きした。

ヘアメイク

正直キャスト写真公開された時は2.5次元感キツいな〜と思ってたけど、実際映像になってみると背景の作り込みが凄くマッチしてて、ほぼ気にならなかった!メイクさん衣装さん凄い。
個人的に、今まで漫画アニメの実写化で信頼してるのは柘植伊佐夫さんだけだったんだけど、そのレベルに至ってたと思う。
あと多くの人が指摘してた、序盤の美世のボロボロさの再現が凄い。あかぎれってメイクで作れるのかな?

着物について

着物民の端くれなのでめちゃくちゃ眼福でした〜!!
序盤のボロボロの銘仙?紬?から徐々に綺麗な着物が増えていくの良かったね…てなる。
なおかつ着物買ってもらった後も、家事してる時は最初の着物着てるのが良い。
冒頭の嫁入りシーンで、ちゃんと花嫁衣装着てるのに、まさかの徒歩移動でハラハラした…おい車!なんでそこで下ろすねん!!!
他のシーンも結構振袖?っぽいのが多くて、そんなちょっと街中に買い物行くぐらいでええおべべ着はって…てハラハラした
あとゆり江さんも何気に可愛い着物着てるのよ!割烹着で隠れがちだからもっと見せてくれ〜!

継母&妹

WEB漫画の広告でよく見る意地悪な継母と妹そのまんまだった。折檻描写が本格的すぎるんだよ!特に妹ちゃん可愛いし性格最悪なの最高。あの髪型が似合う高石あかりスゲェ。
あと妹の婚約者はまともだったのが意外。あいつ、親父も婚約者もクズで気の毒な奴だったな…

渡邉圭祐

渡邉圭祐めちゃ良かったですね!てかMIU404の時の印象が強かったから、演技上手くなっててビックリした。スリーピースも似合うし、胡散臭い青年をやらせたら渡邉圭祐と竜星涼の右に出る者はいない。

そしてお手本のような負ける当て馬ムーブを次々とかましてくれて、心の中で手叩いて喜んだわ
正体明かした途端勝手に下の名前呼び捨てするわ、ボディタッチ多いわの距離感の詰めっぷりに、私の中のハチオーグがあらら…て言ってた

あと美世の異能の影響受けた時に眼から血流しながら「問題ありません 意識を少しずらしましたので」的なこと言ってて(細かいとこ違うかも)厨二ど真ん中な台詞かっこよ!!!それ欲しかった奴〜!てなった
いや「意識をずらす」なんて台詞現実じゃ一生使わないもんね、最高

今回のシナリオの範囲だと結構ペラいキャラだったのだけが残念だな。原作とか続編だともっと色々あるんだろうけど。

気になったところ

玖堂家の家格がよくわからなかった。
最初没落貴族なのかな?と思ったけど、異能や役職からは他の家から一目置かれてる感じだし。かと思えば使用人はゆり江さんだけっぽいしお屋敷も斎森さんちの方が立派そう。
清廉が住んでるのは別邸で本家が他にあるのかな?とも思ったけど「母は不在」みたいな台詞からすると前は同居してたっぽいし…
まあこの辺は原作読めって話だろうけど。

あと例によってフェミ観点からの批判があったけど、私はあんまり気にならなかった…というか美世の描写はどっちかというと、家族に虐待されてきた子が家族を得て、社会に復帰していく、ていう流れだと思うので、「配偶者に仕える」みたいな読み取り方してる人は違うんじゃない?て思う。たまたま助ける側が男だった、てだけの話じゃないかな〜
「旦那様のお役に立てるならこの命なんて〜」みたいな台詞もあったけど、多分清廉のほうも美世に同じこと思ってるだろうし。
女だけ家事してる、とか旦那様の一番風呂、みたいなのはベースが大正時代だから、ノーカンでいいと思う。

続編

これだけ話題になったら続編あるだろうから、私から特に言うことないんですが。
無能力だと思われてた主人公が世界を揺るがす能力者で、各勢力が虎視眈々と狙っている…という王道すぎるプロットだけど、やっぱり続き見たいよね!!
ポスクレシーンに出てきた謎の組織があまりにも「続編への引きに出てくる謎の組織」すぎて、「そういえばこれなろう作品だったな…」てなったり
次作はもっと予算上げてもっと異能バトル見せてください。チャンバラもお願いします。あと渡邉圭祐の出番増やしてください。